ChatGPT Code Interpreterの衝撃 ニュースダイジェスト 2023-07-11

AI新聞

◎ChatGPT Code Interpreterの衝撃

ChatGPTの有料版で使える公式プラグインのCode Interpreterがものすごく話題になっている。


どんなことができるのかというと、ChatGPT上でPython Codeを生成、実行したり、ファイルをアップロード、ダウンロードできるらしい。というものの僕はプログラミングができないので、このプラグインのすごさが正直わからない。

でもCode Interpreterを使ってできる具体的用途というものが、世界中のユーザーによって次々と発見されている。

(1)データを入力するとグラフにしてくれる詳細

(2)SNSデータ分析。Twitterデータを読み込ませたら、グラフ生成、改善点提案、パワーポイント作成など、SNSコンサルタント並みのタスクをこなしてくれる(詳細

(3)GIF動画作成。ロゴをアップロードして「このロゴが回転するGIF動画を作って」と命令(詳細)。パノラマ写真をアップロードして「この写真が左右に動くGIF動画を作ってと命令(詳細)。

(4)パワーポイントスライドの作成。論文をアップロードして「スライドを作って」と命令する(詳細

(5)画像からテキスト抽出。画像をアップロードして、そこに写っている文字をテキストデータとして取り出せる。ただし日本語は未対応のもよう(詳細

(6)棒グラフアニメーション。1980~2028年までの世界各国のGDPランキングTOP10のデータをアップロードすれば、年を追うごとに変化する棒グラフのアニメーション動画にしてくれたという(詳細

(7)高度な数学の文章題を解ける。これまでGPT-4だけでは解けなかったような数学の問題も解けるという(詳細

(8)投資の分析。みずほ銀行の株価の時系列データ読み込ませてたところ、寄り引けの戦略を考案してくれた(詳細)テスラの株価のデータをアップロードしたところ、いろいろなグラフを作成してくれる。こうしたグラフをエクセルで作成すると数時間かかりそうなところを、5分で生成したらしい(詳細

(10)長期記憶。ChatGPTは会話が長くなると最初のころの会話の内容を忘れてしまうことがあった。記憶容量に限界があったわけだが、Code Interpreterで記憶保存用のテキストファイルを初めに作っておき、毎回のやり取りをそこに保存するようにすると長期記憶が実現できるらしい(詳細

 

◎Twitterの対抗馬Threadsが1億人超え

Meta(Facebook)がリリースしたTwitterのようなSNS「Threads」のユーザーがリリースわずか5日間で1億人を突破した。
https://www.engadget.com/metas-threads-races-to-100-million-users-in-under-a-week-070740016.html

急成長の理由は?

イーロン・マスクがTwitterの経営に乗り出してから、いろいろ不満が出ていることもあって、Threadsに乗り移ろうという人が多いというのが急成長の理由、というような分析を目にした。もちろんそういう人もいるかも知れないけど、僕は単純にインスタグラムのユーザーなら簡単にアカウントを開設できることや、それが理由でインスタグラムの友人たちのネットワークをそのままThreadsに持ち込めるからだと思う。


僕も一応Threadsに登録したけど、これからもTwitterを使うつもり。なぜならTwitter上でAIやWeb3の人たちのリストがあって、最新の情報が得られるから。
Twitterはこれからもビジネスや学問のSNSとして利用され、Threadsは若者やエンタメのSNSになっていくような気がする。つまり棲み分けが起こるような気がする。


一方で、Twitterの顧問弁護士がMetaのマーク・ザッカーバーグ宛に「Twitterの社員を引き抜いて、社外秘情報を得ようとするのは違法」として提訴の可能性をほのめかす手紙を送ったらしい。Metaの広報は、「Twitterの元社員はThreadsのチームには一人もいない」と反論している。
https://www.semafor.com/article/07/06/2023/twitter-is-threatening-to-sue-meta-over-threads

◎学生向けChatGPT

学生のニーズに合うようにChatGPTをファインチューニングしたpraxyが注目を集めている。Google Chromeのエクステンションで、ChatGPTをより使いやすくしている感じ。わからない部分をワンクリックするだけで解説文が出たり、理解しているかどうかのテストをワンクリックで作成してくれたりする。
また大学で一括購入することで大学のロゴをつけたり、安全な使い方ができているか大学側でモニターできたりする。
https://praxylabs.com/

エクサウィザーズも、企業向けにファインチューニングしたExaBase 生成AIというサービスをリリースしているが、こうした特定の業界や分野向けにChatGPTをファインチューニングして使い勝手よくし、しかもセキュリティも万全、というようなサービスがこれから次々と出てくるんだろうな。だってチャット型AIを使う人と使わない人の間で生産性に大きな差が出るので、従業員にチャット型AIを提供しない職場って考えられなくなると思う。


◎カーンアカデミーがAI家庭教師

カーンさんという人が離れた地域に住む姪御さんに数学を教えるために作った動画教材がYouTubeでバズり、ビル・ゲイツなども出資する無料教育サイトに成長したカーン・アカデミー。生成AIが登場したときに、カーンさんが「これだ!」って騒いでいたけど、」いよいよAI家庭教師の開発が進んでいるらしい。日本語とか使えるのかなあ。確かに無料AI家庭教師は社会に大きなインパクトを与えそう。
https://www.khanacademy.org/khan-labs

 

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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