最新版Microsoft「仕事の未来」レポート

AI新聞

【編注:画像はDALL-Eで生成】

Microsoftはこのほど「Microsoft New Future of Work Report 2023」と題したレポートを発表した。同社は毎年、仕事の未来というテーマでレポートを発表しているが、今年はAIが仕事に与える影響に焦点を当てたレポートになっている。AIの性能ではGoogleが急速に追い上げてきているものの、現時点ではMicrosoftとOpenAIのタッグが最強。このレポートにはMicrosft、OpenAIのAIツールについての言及が多いものの、現時点ではAIの最先端レポートして問題ないだろう。いろいろと興味深いデータがあるのだが、幾つかに絞って解説したい。

ChatGPTを使えば仕事が37%高速に

マサチューセッツ工科大学の研究者らの調査によると、一般的な執筆作業でChatGPTを使うと37%も時間を短縮できたという。またハーバード大学の研究者らの調査によると、コンサルティング大手BCGのコンサルタントたちのレポートはChatGPTを使うことで質が40%近く向上したらしい。

一方で、ChatGPTのハルシネーションに騙されるコンサルタントも多いようで、ChatGPTを使わないコンサルタントより使うコンサルタントの方が間違った記述をする確率が19%も高かったという。

こうしたハルシネーションの問題はAIツールを改良することである程度は防げるようで、不確実な情報をハイライトで警告することで、間違った記述は減少したという。(ソース Comparing Traditional and LLM-based Search for Consumer Choice: A Randomized Experiment 英語)

ChatGPTをそのまま使うのではなく、ツールのUX、UIを工夫することでハルシネーションの問題はある程度抑えられるようだ。

 

低スキル社員のスキル向上に最も効果あり

ハーバード大学の調査によると、ChatGPTを使うことで高スキルの社員の生産性は17%しか向上しなかったが、新入社員などの低スキル社員の正先生は43%も向上したという。技術が得意な一部の社員だけに使わせるより、一般社員に広く使ってもらった方が会社全体の生産性がより大きく向上しそうだ。(レポートのP8)

 

アシスタントとして、口うるさい壁打ち相手として

今はAIを、検索したり、要約したりしてくれるアシスタントとして使う人が多いが、簡単な知的作業をAIが担うようになれば、人間の仕事は知識の統合であったり最終的判断になってくる。そうなれば必要になるのは、何でも言うことを素直に聞くアシスタントではなく、人間が考え出した仮説に対して質問してきたり、異論を唱えたりするような役割を果たすAI。細かすぎる壁打ち相手や口うるさい壁打ち相手の役割を果たすAIが必要になってくるという。(レポートのP9)

 

AIはプロジェクトを細分化する

今後、一人の人間が担当している1つのプロジェクトを、AIがマイクロタスクに細分化するようになるという。細分化されたマイクロソフトはクラウドソースに投げてもいいし、AIによって自動化される可能性もある。部下の新入社員やアルバイトに投げてもいい。そうすることで元々の担当者の生産性が大幅に向上するようになるという。プロジェクトをどのように細分化し、いつどのマイクロタスクをこなしていくのが最も効率的かもAIが考えてくれるようになるという。(ソース P10)

 

 

 

 

 

 

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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