Sam Altman氏がAGI完成宣言!?

AI新聞

OpenAIのCEOのSam Altman氏はこのほど、「Reflection(振り返り)」と題したブログを公開、その中で「ASI(超知能)へ目標を移し始めた」と語った。OpenAIはAGI(汎用人工知能)の開発を目的として設立された組織で、これまでもAGI完成を目指して研究開発を続けてきた。振り返りブログを執筆し、その中で目標を変えようとしていると発言したということは、AGIが完成したということなのだろうか。

 

AGI(汎用人工知能)にはいろいろな定義があるが、元々は、いろいろな用途に使える人工知能という意味だった。それまでのAIが特定の領域のみに性能を発揮するシステムだったので、人間同様にいろいろな領域に使えるシステムという意味でAGI(汎用人工知能)という言葉が生まれた。

 

最近では、汎用ということよりも、数学や科学などの領域のテストで博士号取得者並みかそれ以上の成績を収めることのできるAIをAGIと呼ぶことが増えてきた。ソフトバンクの孫正義氏は、天才レベルの知能をAGIと定義している。

 

なおOpen AIは、経済的に価値のある仕事の大半で人間を上回るシステム、と定義している。

 

一方で、ASI(超知能)は、AGIを遥かに上回る知能で、孫正義氏は「人類の叡智を一万倍上回る知能」と呼んでいる。

 

さて「振り返り」ブログの中身を見てみよう。まずは9年前にAGIの開発を目指して同社を立ち上げたところから始まり、2022年11月30日にChatGPTをリリースした話、2023年の年末に理事会から解雇を宣告された話などを記した後、AGIについて次のように書いている。

 

「私たちは、従来理解してきたとおりの AGI の構築方法を知っていると確信しています。2025 年には、最初の AI エージェントが労働力に加わり、企業の成果を大幅に変えることになるだろうと考えています。優れたツールを人々の手に繰り返し提供することで、優れた成果が広く行き渡るようになると信じ続けています」。

「私たちは、その先、言葉の本当の意味での超知能へと目標を移し始めています」。

「これは今のところ SF のように聞こえ、話すことさえもややクレイジーに聞こえます。しかし、大丈夫です。私たちは以前も同じような状況に陥ったことがあるので、また同じような状況になっても大丈夫です。今後数年のうちに、私たちが見ているものを誰もが理解し、幅広い利益とエンパワーメントを最大化しながらも、細心の注意を払って行動する必要性が非常に重要であると確信しています」。

「AI エージェントが労働力に加わり、企業の成果を大幅に変えることになる」というのは、OpenAIのAGIの定義そのものだ。また「その先の超知能へと目標を移し始めている」のは、AGIが完成したと少なくとも同社内で判断したということを意味しているのではないだろうか。「数年のうちに、私たちが見ているものを誰もが理解する」の「私たちが見ているもの」とはAGIのことを指しているのではないだろうか。

 

Altman氏は、昨年9月に開発者イベントに登壇し「AGI時代は1つのAIモデルの登場で突然始まるのではなく、連続的な進化のフェーズを経て、気がつけばAGI時代に入っていたというものになる。今既にその連続的進化のフェーズに入っている」「エージェントの時代になると、びっくりするくらいAIの能力が向上し、多くの人はこれこそがAGIだと思うようになるだろう」と語っている。

 

このブログ記事は、人々がAGIとみなすようなAIエージェントが完成し、それを近くリリースするということを示唆したものになっているのではないだろうか。

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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