「もう歳だから」と諦めるな 10年後に始まる能力拡張時代

AI新聞
多分多くの人がまだ気づいていない10年後の未来の形がある。技術が人間の脳や身体の能力を格段に伸ばすという未来だ。

脳や身体の能力を伸ばす技術は次々と開発され始めている。例えば2017年の南カリフォルニア大学の研究チームの実験によると、神経系インプラントで記憶力が30%向上している。またシドニー大学で、5%しか正答率がないクイズを学生に受けさせたところ、脳神経に電気刺激を与えた学生の正答率は40%だった。

10年後には、人間の能力はこうしたテクノロジーで大きく向上するようになる。発想力も伸びるし、寿命も伸びるだろう。そういう時代に突入する。

米名門ウォートンスクールの経済学者Mauro Guillen教授は「年齢という数字で、若者と高齢者と分けることが無意味な時代になる」と指摘している。

今のところ、中年を過ぎたころから人間は能力を1つ1つ失っていく。しかし10年後には、能力を失う速度が大幅に減少するか、能力が伸びることだってありえるかもしれない。

そういう時代が来るのだから、今の40代、50代は、この段階で「もう歳だから」と諦めないことが大切だと思う。人間の能力を拡充する技術が今後一気に開花するとみられているのに、そういう時代が来る前に諦めるのはあまりにもったいないからだ。

60歳定年、65歳定年という制度を作ったのは、急速に進化するテクノロジーの最前線に気づいていない人たちだ。老後の資産形成に関するファイナンシャルプランナーの話にも、耳を傾ける必要はない。過去のデータを基にした未来予測は、これからはほとんど無意味。今は、技術の最前線を見ることでしか、未来予測はできない。

技術の最前線をウォッチし続けてきた僕だからこそ、多くの人に伝えたい。今ここで、諦めるな。

諦めた人は10年後のテクノロジーの恩恵を受けることができず、今まで同様に加齢とともに能力を失っていくだろう。

諦めないで能力を維持し続けた人は、10年後にはテクノロジーの恩恵を受け、より活発に社会に貢献できるようになる。

そういう意味で、40代、50代は今、岐路に立っていると言える。そういう歴史的転換期に我々はいるのだと思う。

30代より若い人たちは、10年後のテクノロジーの恩恵を受ける人と、早々に諦めたため人との違いを見て、能力の減少を食い止める努力を続けるようになるだろう。

なので諦めた40代、50代だけが、次に来る明るい未来を見ることなく人生を終えるのだと思う。

Mauro Guillen教授は5月18日、19日に開催予定のExaForum2021への登壇が確定しています。
 
                           <Mauro Guillen教授>
 

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湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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