量子コンピューターの注目ベンチャー、カナダD-Waveは、新型コロナウイルス関連の計算に同社の量子コンピューターを無償で提供し始めた。
無償で利用できるようになったのは、同社の量子コンピューターにアクセスできるクラウドサービスのLeapと、量子コンピューターと通常のコンピューターのハイブリッド型のクラウドサービスのLeap2。
量子コンピューターを使いこなすには相当のスキルが必要だが、今回の無料提供に合わせ、同社のユーザー企業も運用支援をボランティアとして提供するという。
発表文によると、運用支援するのは、ドイツの研究機関Forschungszentrum Jülichや自動車大手フォルクスワーゲンを始め、以前からD-Waveを利用するユーザー企業や研究機関で、日本では、デンソーや京セラ、東北大学などが、エンジニアチームや運用ノウハウを提供するという。
新型コロナウイルス関連での計算の例としては、新しい診療方法の分析、ウイルス感染の拡大を予測するモデル、病院向け物品の配送の最適化、薬の組み合わせなどが想定されるという。
発表文の中で、東北大学の大関真之氏は、「医療崩壊を防ぐため、重篤患者をどの病院に運ぶのかを計算する最適化計算式の作成に着手しており、既にほぼ完成している」と語っている。