コロナ撲滅に量子コンピューター無料解放=D-Wave

AI新聞

量子コンピューターの注目ベンチャー、カナダD-Waveは、新型コロナウイルス関連の計算に同社の量子コンピューターを無償で提供し始めた。

無償で利用できるようになったのは、同社の量子コンピューターにアクセスできるクラウドサービスのLeapと、量子コンピューターと通常のコンピューターのハイブリッド型のクラウドサービスのLeap2。

量子コンピューターを使いこなすには相当のスキルが必要だが、今回の無料提供に合わせ、同社のユーザー企業も運用支援をボランティアとして提供するという。

発表文によると、運用支援するのは、ドイツの研究機関Forschungszentrum Jülichや自動車大手フォルクスワーゲンを始め、以前からD-Waveを利用するユーザー企業や研究機関で、日本では、デンソーや京セラ、東北大学などが、エンジニアチームや運用ノウハウを提供するという。

新型コロナウイルス関連での計算の例としては、新しい診療方法の分析、ウイルス感染の拡大を予測するモデル、病院向け物品の配送の最適化、薬の組み合わせなどが想定されるという。

発表文の中で、東北大学の大関真之氏は、「医療崩壊を防ぐため、重篤患者をどの病院に運ぶのかを計算する最適化計算式の作成に着手しており、既にほぼ完成している」と語っている。

 

 

 

 

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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