
米Amazon.comが、同社のレジなし店舗Amazon GoのAI技術を、小売業向けにライセンス販売することになった。
参考にしたのはForbesの記事Amazon’s Sharing Of Cutting-Edge Technology May Change The Way You Shop For Groceries。
同技術をどれくらいの価格で他社に提供するのかは分からないし、価格が分かってもそれが高いか安いかも僕には分からないんだけど、Amazonは目先の利益を追わずに長期的視点で動く会社。
なのでリーズナブルな価格でサードパーティに提供するのではないかと思う。知らんけど。
果たしてレジなし技術に飛びつく小売業が殺到するのかどうかに注目したい。
もしライセンスフィーがリーズナブルで、多くの小売業がAmazonのレジなし技術を導入した場合、Amazonはオフラインの小売りデータを大量に入手できることになる。
このForbesの記事によると、Amazonは米国のECの38.7%というトップシェアを誇るが、当然オフラインのデータはほとんどもっていない。
Amazonがオンラインのデータに加え、オフラインのデータをも入手できるようになれば、消費者の購買の傾向がリアルタイムで正確に把握できるようになる。
そのデータを使えば、いろいろなことができるようになると思う。売れ筋がだれよりも早く分かるので、売れる商品の開発に自ら乗り出すこともできるだろうし、メーカーの売り上げも把握できるようになるのでメーカーに対する金融ビジネスにも乗り出せる。
AIビジネスには、勝者一人勝ちの傾向があるんだが、まさしくAmazonは米国でオンライン、オフラインともに圧倒的な勝者になっていく可能性がある。
本気かどうか知らないけど、トランプ大統領は以前からAmazonを批判する発言をTwitterで繰り返している。
あまりに強くなりすぎると独禁法関連で米政府からの横槍が入るだろうから、あまり無茶はできないかもしれないけど。

湯川鶴章
AI新聞編集長
AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。