米EC大手のAmazon.comが、米シアトルにレジなしスーパーマーケットのAmazon Go Groceryをオープンさせた。AmazonはこれまでレジなしコンビニAmazon Goをシアトルを始め、サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨークなど16カ所で展開しているが、スーパーマーケット型のレジなし店舗をオープンするのは初めて。
レジなし店舗なので、入り口にある改札のようなゲートを通る際に、スマートフォンをかざして一瞬で本人認証。あとは欲しいものをバッグの中に詰めて、お店を出るだけ。お代は、Amazonアカウントに登録されたクレジットカードに自動的にチャージされるので、支払いのためにレジに並ぶ必要がない。
買い物客が何をバッグに入れたのかは、棚の重量センサーと、天井に設置された無数のカメラからのデータを、AIが解析して判断する。
コンビニ型だと、例えばコーラ缶など形状が統一された商品が多いが、スーパーでは野菜、果物など、大きさが一つ一つ違うものも含まれている。
また野菜や果物の場合、買い物客は、手に取って比較するなどの複雑な動きをすることが多い。
AIにとっては、買い物客の動きを把握するのが格段に難しくなる。
実際、Amazonの技術担当者は、「(コンビニ型店舗とは)難易度が全然違う」と語っているという。
今回のスーパーマーケットの広さは7700平方フィート(約700平方メートル)で、これまでのコンビニ型の約4倍という。
アメリカのスーパーマーケットには、デリや精肉、シーフードカウンターがあり、買い物客の要望通りに肉を量り売りしてくれるサービスを提供するところが多い。Amazon Go Grocceryではそういうサービスはなく、肉や魚はパッケージされたものが陳列されているようだ。
しかし、それ以外は、通常のスーパーマーケットと品揃えはほとんど変わらないという。
全自動店舗というと人件費削減が目的のように思われているが、今回のスーパーでは数十人の店員を抱えているらしい。また天井に設置された無数のカメラの台数、映像データを解析するコンピューティングコストを考慮すると、通常の店舗より低コスト運営は難しそうだ。
以前、どこかのメディアでAmazon Goの技術責任者が「コスト削減ではなく、顧客の利便性追求が目的」と語っていたが、やはりレジ待ちをなくすというのが目的なのかも知れない。
この記事の執筆には、以下のサイトの記事を参考にさせていただきました。
GeekWire
Amazon to open its ‘first grocery store,’ with new format separate from Whole Foods and Amazon Go
Reuters
Amazon expands physical footprint with bigger cashier-less grocery shop