WeWorkのドタバタ劇を見た感想

AI新聞

WeWorkの「魔法は解けた」。CEO辞任でも復活しない収益構造と落ちたソフトバンクの評判という記事を読んで。

「ソフトバンクが太陽。シリコンバレーは周辺の星」 ビジョンファンドに対する海外の評価を集めてみたという記事を書いてすぐに、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資するコワーキングスペース運営会社WeWorkのドタバタが連日のように報じられるようになった。

僕がこのWeWorkのドタバタをどう見ているのか、という質問を友人から受けた。その答えは、「特に何の思いもない」ということだ。

「ソフトバンクが太陽」の記事で書いたように、僕の主張はAIビジネスは、正のスパイラルで拡大するメカニズムがあるということ。今回のWeWorkAIビジネスではない。なぜ孫正義氏がWeWorkに出資しようと思ったのか。最初から僕には理解できなかったし、今でも理解していない。

またビジネスマンに対する評価は、結果がすべて。大きな事を成すビジネスマンは、成功すれば先見の明があったと言われ、失敗すればペテン師だったと言われる。そんなものだ。それはスティーブ・ジョブズ氏でも、イーロン・マスク氏でも、孫正義氏でも同じ事だ。

つまり生きている間は、評価は定まらない。それだけ人の評価っていい加減なものだと思う。なので僕自身は、道半ばの人に対しては、よほどのことがない限り絶対的な評価をしないでおきたいと思っている。ということで、今回のことで僕の中での孫正義氏の評価は下がることはない。

ビジョン・ファンドの本当の価値が出るのは、出資先企業が業界の枠を超えて成長し始めたときと、その結果出資先企業同士でシナジー効果を生むようになってからだと思っている。

それまでは、紆余曲折があるのは当然だと思っている。

 

 

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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