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創薬xAIでブレークスルー 短期間に候補分子を特定する仕組みをオープンソースで公開

  • 2019.9.19

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最近のAI関連のニュースで最もインパクトが大きかったのが、米バイオベンチャーInsilico Medicineが線維症などの疾患に効く可能性のある薬の候補分子をわずか21日で6個特定したというニュースだと思う。これまでも創薬をAIで加速させる試みはあったが、実際にある程度の成功を収め、しかもその仕組みをオープンソースで公開したということは、非常に画期的な話だと思う。

創薬のコストは高騰する一方。Fortune誌によると新薬が市販されるまでに約10年の月日と3億5000万ドルから27億ドル位のコストがかかるという。もちろんこの時間とコストには臨床実験が含まれるのだけど、臨床実験に至るまでの候補分子の特定や動物実験にもかなりの時間とコストがかかる。

ところが今回Insilico社は、わずか21日で分子構造を特定し、46日で動物実験の直前まで行った。学術誌Nature Biotechnologyに掲載された論文よると、AIが特定した4つの候補分子のうち1つは、マウスの実験で効果が認められたという。ここまでの行程には、これまで2、3年かかっていたのが、同社の仕組みを使うと2ヶ月以内で済むという。

どんなAI技術を使ったかというと、Inside HPCというサイトによると、GAN(敵対的生成ネットワーク)と強化学習を使ったのだとか。同社CEOのAlex Zhavoronkov氏によると、2016年に創薬にGANを使うと発表したときは「業界のほとんどの人が懐疑的だった」と語っている。

しかも同社は、この仕組み「GENTRAL」をオープンソースで公開している。創薬にかかる時間とコストが大幅に削減される可能性があるわけで、このことが製薬業界の勢力図をどのように塗り替えるか。非常に興味深い。

 

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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