AI搭載、安価な汎用型ロボットが注目領域

AI新聞

Anyone can program this cheap robot arm in just 15 minutesという記事を読んで。

 

AIが研究室を飛び出し、リアルな社会の中で使われようとする中で、最大のビジネスチャンスは「安かろう、まあまあよかろう」戦略にある。

これまで性能はいいものの高価だったデバイスに代わって、AIを搭載することで安価で汎用性のあるデバイスを開発した企業が大きく躍進する。これが今後10年間のサクセスストーリーの基本形になると思う。

ドローンもそうした領域の一つ。もともと農薬散布用にリモコン操縦の小型ヘリコプターを開発し成功していたのは日本企業だったが、汎用部品とAIを使ってドローンを開発した中国のDJIが、農薬散布向けを含め、あらゆる業界のニーズに応えて、一夜にして巨大企業に成長した。

次にAIによって新たな市場が形成されるのは、ロボット業界。高価な高性能産業ロボットは日本のお家芸だが、AIを搭載した安価な汎用ロボットが登場すれば、中小の製造業や飲食店、サービス業、家庭向けなど、これまでになかった新たな市場を開拓して、一気に一大市場を形成する可能性があると見られている。

ということでロボット業界の動きをウォッチしているのだが、この英Automata社のロボットEva7500ドル(約80万円)。通常の産業用ロボットの1/10以下の価格だ。

プログラミングも簡単で、素人でも15分くらいでできるのだそうだ。

まだまだできることは限られているみたいだし、AIを搭載して汎用性を持たせているわけでもないけど、こうした安価なロボットの領域に注目が集まっていることは確か。やはり皆、狙っている領域は同じなんだと思う。AI搭載の安価な汎用型ロボット。「安かろう、まあまあよかろう」の領域だ。

 

 

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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