自動走行車xロボット Fordのコンセプトモデル

AI新聞

Meet Digitの記事から

AIはデータがあればあるほど賢くなるので、業界の枠を超えた合従連衡が始まる。Fordがロボットの開発に乗り出すのも、そうした力学の一環なんだろうな。

日本でもそうだけど、米国でもネット通販の利用者が増えて宅配便が急増している。2018年には60億個の荷物が宅配されたそうだ。10年前の2倍の量。もちろんこれからますます増えることだろう。

そこで自動走行車に期待が集まっているだけど、自動走行車は玄関まで荷物を運んでくれない。そこでFordはロボットベンチャーのAgility Roboticsと手を組んだ。FordCTOがブログ記事で明らかにしたところによると、Agilityの宅配ロボットは、Fordの自動走行車とデータやコンピューティングパワーを共有し、荷物を運ぶ途中で予想外の事態に陥ったときは、自動走行車やその先のクラウドに指示を仰ぐように設計されているという。そうすることで宅配ロボットの軽量化とバッテリーの長持ちが可能だという。

考えてみれば、宅配ロボットと自動走行車を別々に開発するというのも無駄な話。荷物を配達するという目的のためにはどのようなシステムが最適か、というデザイン思考でロボットも自動車も設計されるべきなんだろうと思う。

自動走行車の2大アプリケーションは、都市部の宅配と、山間部の高齢者の交通手段。それぞれに最も適したシステムを設計すればいい。自動車というものこだわる必要はないんだよね。

こういうことは既存の自動車大手より、ベンチャー企業のほうが得意かもしれない。

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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