ロシアが自国をインターネットから切り離す実験開始

AI新聞

Russia wants to cut itself off from the global internet. Here’s what that really meansという記事から。

 

ロシアが自国内でインターネットを閉じる実験を開始したらしい。海外のサーバーには一切頼らずに、すべて国内のサーバーでデータを処理するもよう。

現在ロシアの議会で審議中の「独立国家インターネット法案」が成立したときに備えて、インターネットを国内だけで完結行けるようにする実験らしい。

政治家がインターネットを嫌う理由は、よく分かる。インターネットのおかげで国境や国家というものの意味が薄れてきているように思う。インターネット上では米国が圧倒的に強く、アメリカの価値観や商習慣が世界中のユーザに影響を与え始めている。このままではインターネットが世界の価値観や商習慣を1つにしてしまい、国家の影響力がどんどん薄れていってしまう可能性がある。日本には英語が得意な人が比較的少ないため危機感がないかもしれないが、英語が得意な人の多いヨーロッパでは看過できない問題なのだろう。

とはいうもののインターネットを自国内で閉じてしまうということが、果たして可能なのだろうか。技術的にも非常に難しそうだし、莫大な経費がかかると試算されている。またロシアの国民の間でも不人気で、先日もモスクワで行われた抗議デモに1万5000人が参加したと伝えられている。

よく分からないけど、無理なような気がするなぁ。

 Power to the people 。インターネットの登場以来、権力者から一般大衆へのパワーシフトは避けることのできない運命だと言う主張がある。時代の大きな流れには抗えないように思うけどなあ。

 

 

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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