Amazonが次に狙うのはテレビ広告市場

AI新聞

米ニュースメディアThe Information誌によると、米Amazonは広告ベースの映像配信サービスを米国視聴者向けに開発中という。AmazonのFireTVやFireStickを接続したテレビで視聴できるサービスで、映画やテレビ番組をCMなしに視聴できるAmazonプライムビデオとは異なり、年会費なしでテレビ番組を無料で視聴できるようになるという。コンテンツは、放送済みのテレビ番組を製作会社から購入すべく、製作会社と交渉を続けているもよう。

同誌によると、Amazonの狙いは700億ドル規模の米テレビ広告市場。Amazonは、自社のECサイトなどで広告配信を手掛けているが、今年4−6月期の「広告・その他」の売り上げが、前年同月比132%増の22億ドルに急成長しているという。

Amazonは、ユーザーの購買履歴をベースに、ユーザー一人一人に合ったテレビCMを配信することが技術的には可能。FireTVなどのユーザーは米国内だけで4800万人いることから、新しい広告媒体として広告主がAmazonに流れる可能性がある。

広告がない代わりに有料のプライムビデオと、無料だが広告が配信される新サービス。この2つで、映像エンタテインメントの業界の勢力図を塗り替えるつもりのようだ。

 

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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