Facebook、Googleらがデータ移動のプロジェクト

AI新聞

Facebookは公式ブログで、Google、Microsoft、Twitterとデータ移動のプロジェクトを始めると発表した。いよいよこの流れになってきたかという感じはあるが、ただAmazonが入っていないのが気になるところだ。

5月25日に施行されたEUのGDPR(一般データ保護規制)は罰金が巨額になる可能性があるので、欧米企業は戦々恐々。GDPRの骨子の1つが、ユーザーが自分のデータを有効活用できるようにするというものなので、今回のデータ移動の動きもGDPRを意識したものだと思われる。

データを移動させることができると何がいいのか。

1つのSNSが気に入らなければ、同じようなSNSに写真や投稿など過去のデータを移動させることが可能になる。今後もしMixiやLineがこのプロジェクトに参加すれば、Mixiの過去のデータをFacebookに移行させたり、Twitterの過去データをLineに移行させるのが可能になるわけだ。

もっとメリットが大きいのは買い物のデータ。もしAmazonや楽天がこのプロジェクトに参加すれば、楽天での購買データをAmazonに移動させ、楽天の購買履歴をベースにAmazonに商品を勧めてもらう、というようなことが可能になる。

ユーザーのデータはユーザー自身のもの、という考え方が広がりつつあるのだと思う。

この考え方が広がれば、ユーザーに代わってデータを運用する情報銀行のようなビジネスも今後ひろがるかもしれない。

要注目領域。

関連記事:人のデータを勝手に使うな!データ経済社会は自己管理が原則に

 

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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