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DNAがAIに。米大が手書き数字認識に成功

  • 2018.7.9

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手書きの数字を読み取るタスクは、初期のニューラルネットワークが達成したブレークスルーの一つ。米カリフォルニア工科大学はこのほど、半導体回路ではなくDNAを用いた回路を使って、手書きの数字の認識タスクに成功したと発表した。論文は、7月4日、7月19日の学術誌Natureに掲載されるという。DANの回路を使うと、多数のDNAが同時に生成されることから超並列計算が可能になるほか、従来の半導体回路では実現困難な細胞内で働く超微小治療装置への応用も期待されている。

半導体の回路は、トランジスタ素子の回路のオン・オフを制御する機能を使って計算するが、DNAの回路は、DNAの塩基分子であるアデニン (A) とチミン (T)、グアニン (G) とシトシン (C) がそれぞれ対をなして結合する特性を利用して計算するという。

同大は2011年にもDNA回路を使った簡単な数種類の画像の認識に成功。その後も研究を続け、今回は典型的なAIのタスクである手書き数字認識に成功した。同大の研究チームは、半導体回路のAIが可能なタスクすべてを、DNA回路のAIでもできるように今後も研究を続けたいとしている。

同大のLulu Qian准教授は「ペンキからバンドエイドまで、分子でできているすべてのもの(にAIを搭載することで)、環境に反応し、いろんなことができる製品を開発できるようになる」と語っている。

ただウィキペディアの「DNAコンピュータ」の項目によると、「DNAコンピュータは演算は速いのだが、問題をDNA鎖の形に翻訳(入力)し、解をデジタルデータの形に変換する(出力)工程に問題がある」といったような課題がありそうだ。

今回の実験では、手書き数字の画像を10×10のピクセルで表現し、それを100個の分子に当てはめて計算。結果を1から9までの数字に分類させたという。

それにしても人間の脳で行なっている作業を半導体回路上の人工知能で真似し、半導体回路上の人工知能で行なっている作業をDNA回路が真似をするのって、なんだかおもしろい。

手書き数字が認識できるようになったということは、人工知能が得意とするほかのタスクもできる可能性が高い。これからどんなことができるようになるんだろう。わくわくする話だ。

 

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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