AIとブロックチェーンという組み合わせが最強である4つの理由

AI新聞

Irish Tech NewsのHOW THE CONVERGENCE OF AI AND BLOCKCHAIN WILL RESULT IN INCREASED EFFICIENCY AND TRUST(AIとブロックチェーンの融合はどのように信頼性と効率を高めるのか)という記事から。

AIとブロックチェーンを組み合わせることのメリットには次のようなものがある、としている。

(1)省エネ

ブロックチェーンには、マイニングと呼ばれる認証作業にものすごい電力を消費するような仕組みになっているものが多い。1つの取引の認証に、1つの世帯が1週間に使うぐらいの電力を消費するといわれている。Matrixという仕組みでは、「中央集権型と非中央集権型を組み合わせ、AIを使うことでより環境に優しいブロックチェーンのオプションを提供している」という。またDirected Acyclic Graphというマイニング不要の仕組みでも、AIが不可欠なのだとか。どういう仕組みなのか、時間があるときに調べてみたい。

(2)セキュリティー

ブロックチェーン自体は分散型なのでセキュリティーは高いが、アプリケーションはブロックチェーンに乗らないので、これまでのソフトやアプリ同様にハッカーの攻撃に遭いやすい。だがAIがその部分のセキュリティーを担当することで、人間が監視するよりもセキュリティーが高くなるという。まあ、それはそうだろうなあ。

(3)データの信頼性

AIにゴミのデータを入れれば、ゴミの答えしか出さない。AIはデータがすべてだと言われるゆえんだ。ブロックチェーンを使って、データの信頼性を高めるということは、確かにその通りだと思う。

(4)トークンによるインセンティブ設計

この記事にはこの項目はなかったけど、僕自身はこれがAIxブロックチェーンの最大のメリットだと思う。ブロックチェーンのスマートコントラクト上に「最高のデータと最高のアルゴリズムを提供してくれたAIには、トークンをお支払いします」という条項を付け加えておけば、世界中のAIが最高の予測モデルを作るために競ってくれる。こういう時代になれば、AIは一気に進化すると思う。この記事の著者は、まだこの可能性に気づいていないのかもしれない。

このほか、この記事ではAIxブロックチェーンの例として、A.I BlockChain.、 Effect.AIを紹介している。この部分も時間があるときに調べてみたい。

 

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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