エクサウィザーズの壮大なビジョンと、僕がAI新聞の編集長の仕事を引き受けた理由

AI新聞

新聞記者時代は、「中立」「公平」が最も重要であると教育されてきた。新聞記者を卒業してから10年近くも経つというのに、いまだにこの「呪縛」から抜け出せないでいる。なので自分の会社のことを、これまでなかなか記事にできないでいた。しかしエクサウィザーズ に入社して半年が経ち、エクサのことを多くの人に知ってもらいたいという思いが非常に強くなってきた。

エクサの何がすごいのか。なぜ僕がエクサにジョインしたいと思ったのか。完全に「中立」「公平」の立場では書けないが、できるだけ正直に誠意を持って、自分の会社、エクサウィザーズ の可能性の大きさについて語ってみたいと思う。


春田氏:事業規模の拡大と社会貢献への情熱

エクサウィザーズ の経営陣の柱は、会長(当時)の春田真さんと社長(当時)の石山洸さんの二人だ。二人とも僕のかけがえのない友人でもある。

春田さんは、DeNAの元会長、横浜ベイスターズの元オーナーである。オークション事業で競合相手に苦戦していた小さなベンチャー企業を、野球チームを所有できるほどの大企業に育て上げた立役者の一人だ。

一度ベンチャー企業を急成長させた経験があることが、春田さんの1つの強みだ。古巣のDeNAを超えるほどの規模の会社にエクサを育て上げる、というのが今の彼の目標。「だってそうでなければ、DeNAを辞めた意味がないでしょ」と言う。そのためには何をすべきか。春田さんにはそのロードマップが見えていて、目標に向かって最短距離を一直線に進んでいる。

最近では、社会貢献という表現も、春田さんの口からよく出てくるようになった。「これまで社会貢献という言葉をあまり口にしてこなかったけど、DeNAを通じて社会に貢献してきたという自負はある。でも最近は、なぜか社会貢献という言葉を強調したくなっているんですよね」。1つの会社を大企業に育て上げた経験があるからこそ、その境地にたどり着いたのかもしれない。

成長と社会貢献。この2点をまっすぐ見据え、ブレないのが春田さんの強みだ。


石山氏:ビジョンと実行力、そしてお茶目な性格

一方で石山さんと僕が出会ったのは、彼がリクルートでAI事業を手がけ始めたときだった。取材という形でお会いしたのだが、彼の話はとても面白かった。壮大なビジョンを持って、リクルートという会社のAI化を促進していた。なんでもシリコンバレーにAI研究所を設立し、AI研究の世界的権威を所長に迎え、そのほかにも世界的研究者数人をアドバイザーとして招き入れたいのだという。

リクルートは日本では大企業であっても、世界的にはほぼ無名の企業だ。そんな日本企業のアドバイザーに、世界の著名研究者がなってくれるのだろうか。不思議に思ったものだが、彼はわずか半年で米国の著名AI研究者を次々と口説いてまわり、元Googleの著名研究者Alon Halevy氏をシリコンバレーのAI研究所の所長に、Tom Mitchell氏、David Blei氏、Oren Etzioni氏、Alex ‘Sandy’ Pentland氏、Christopher Manning氏などといった世界的権威を、リクルート本体のアドバイザーに招き入れた。

壮大なビジョンを描く力と、それをあっと言う間に形にしてしまう行動力。「仕事ができる」の定義は難しいが、ここまで「仕事ができる」人には、僕の記者人生の中でもあまり出会ったことがない。

そして何よりも、それをまったく鼻にかけないのが、石山さんのすばらしいところだ。あくまでも謙虚で、ユーモアたっぷりの明るい性格。新潟出身なのに雪道でころんでケガをするといった、ちょっとダメなところがあるのも彼の魅力だ。

石山さんの話があまりにおもしろいので、僕の主催する勉強会の講師に呼び、そのときに春田さんにも「聞きにおいでよ」と誘った。別に二人を結びつけようとしたわけでもないのだが、二人は意気投合し、それぞれの関係する会社を合併させエクサウィザーズ をスタートさせた。


エクサは、事業モデルの発射台へと進化する

エクサウィザーズ はすごい会社になる。そのときに僕は、そう確信した。これから二人が力を合わせて、新しい時代を切り開いていく。まるで冒険談を読んでいるかのようにワクワクした。その物語の主人公である彼らのことを、羨ましくさえ思った。

そんなとき春田さんから、エクサの自社メディアで記事を書かないかというオファーをいただいた。脇役でもいいので冒険談に参加できる。二つ返事でOKした。

AIブームとやらで、日本国内にもAIベンチャーを名乗る企業がたくさん出て来ている。中には、すごい技術力を持つベンチャー企業もある。そんな中でエクサの強みは、技術力の高さもさることながら、ビジネス面での経験が豊富なことだろう。

技術者が中心のAIベンチャーには、AIをどのように実際のビジネスに落とし込めばいいのか、具体的に分かっていないところが多い。クライアント企業と一緒になってAIの利活用の方法を探っていこう、というのが彼らのスタンスだ。

一方でエクサの経営陣は、世の中の企業がどのような課題を抱えているのかを熟知している。その課題を解決するためにAIをどのように活かせるのかも分かっている。解決策まで、最短距離で進むことができるわけだ。これが今のエクサの最大の強みだろう。

そしてエクサは進化する。今は技術者に加え、外資系コンサルティング会社の経験者など、ビジネスサイドの採用にも力を入れ始めた。

AIの基本技術そのものは、Googleなど米国、中国の大企業が研究開発でしのぎを削っている。そこで勝負するよりも、その先、つまり新しく開発されたAI技術をどうビジネスに応用していくか。そこでエクサは勝負しようとしているわけだ。

AIならではの新しいビジネスツールってなんだろう。AIならではの新しい事業ってなんだろう。ひょっとすると、AIならではの業界さえ、新しく生まれてくるのかもしれない。そういった新しい事業モデルの発射台のようなものを、エクサは構築しようとしている。大きなビジョンを描くことができて、しかもそれを形にする実力を持っている経営者がいるからこそ、可能な話だ。

僕自身、こうしたビジネスに直接関わることはないが、こうしたビジネスの進化を間近で見ることができる。その機会をオファーされたわけだ。断るわけがない。これが僕が、エクサウィザーズ に入社し、AI新聞の編集長になった理由だ。

エクサに入社して半年。新しい社員がどんどん入社してきている。春田さん、石山さん以外にも、すごい能力を持ったウィザード(魔法使いたち)が入ってきている。本社を浜松町に移転したものの、すぐに手狭になり、来週からいよいよエンジニアは近くのサテライトオフィスに引っ越しすることになった。

それでもエクサが目指す世界観を実現するに当たり、仲間が足りないという。こちらのページで、いろいろな職種の仲間を募集している。閉塞感いっぱいの日本社会において、ここまでワクワクする職場はそうないと思う。チャレンジ精神旺盛な人は、ぜひ応募してもらいたい。

目指すは、エクサ(10の18乗)の人数のウィザード(それぞれに異なる能力を発揮する人たち)がいきいきと輝ける社会。つまりすべての人が、いきいきと輝ける社会だ。

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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