チャットボットは、はかない夢だったのか

AI新聞

Facebookがチャットボットプロジェクトを中止した。発表文には「もともと実験だったし、価値ある知見を得た」みたいなことが書いてある。でもやっぱり失敗だったんじゃないだろうか?うまく行ってるなら、試験ユーザー数をサンフランシスコ在住の1万人から拡大して、さらに「実験」を続けているはずだし。

最終目標としては全ての応答をAI が行う、というものだったんだろうけど、実際にAIが処理できたのは、全体のやり取りの3割程度だったとか。残りの受け答えは、すべて人間のオペレーターが対応していたらしい。チャットボットでコスト削減どころか、コストセンターになってしまったみたいだ。

少なくともアメリカでは、AIスピーカーが大人気だと言うのに、どうしてFacebookのチャットボットは失敗したのだろうか?

汎用AIを目指したからではないか、と言う意見がある。 AmazonなどのAIスピーカーは、多くの人がどのような目的で使うのかをだいたい理解している。一方でFacebookのチャットボットには、ありとあらゆる要望が寄せられたのだという。

う~ん、どうなんだろう。

やっぱり汎用AIはまだまだ先の話で、とりあえず特化型で戦うべきだということなのかな。

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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