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米調査会社ABI Research社によると、電気自動車(EV)は今後急成長が見込まれるが、それに伴って急成長が見込まれるのが、充電スタンドの場所までナビゲーションしてくれるようなEV専門の各種情報サービス。ABIによると2024年までの4年間にEV向けの情報サービスの利用者が世界中で270%増の約700万人になり、2030年には3億7800万ドル市場になると推計している。
環境保護の観点からガソリン車よりもEVの方が望ましいことは分かっていても、ユーザーとして心配なのは電池切れの問題。EV充電スタンドを街でちらほら見かけるようにはなってきたが、その数はガソリンスタンドの数に到底及そうもない。EVがなかなか普及しないのは、電池切れの問題があるからではないだろうか。
しかしABIによると、各国での排ガス規制は厳しくなる一方で、内燃エンジン車の販売を禁止する法律の施行日が近づいている。こうした状況からEV市場が今後急拡大することは間違いなく、2030年までに自家用電気自動車が2700万台、業務用電気自動車が100万台普及することになると予測している。
それに伴いEV充電スタンドのロケーターや、効率よくナビゲーションしてくれるエコルーティング、EV車専用の車内情報サービスのEVテレマティックなど、EV向けの各種情報サービスの利用者も増え、2030年には3億7800万ドル市場にする拡大する見通しという。
EV向け情報サービスの例として、ABIは次のようなものを挙げている。
①近隣の充電スタンドの利用状況や、そこまでのナビゲーションなどの機能を提供するコネクテッドサービス
ABIによると、2030年にはコネクテッドサービスの利用者は2637万人になり、2億2200万ドル市場になるという。
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②電力消費が集中して1つの地域の電力供給が枯渇しないように、地域の電気グリッドとコミュニケーションと取りながら充電時間を提案したり、余った電力を販売できるサービス。Vehicle to Grid (V2G) communicationと呼ばれる。
V2Gでは日産と三菱が最先端だという。
ABIによると、2030年にはユーザー数は200万人になり、1億5600万ドル市場になる見通しとしている。