ナノ粒子薬剤調達の癌治療で、AIがナノ粒子設計支援

AI新聞

英Bristol大学らの研究者グループEVO NANOはこのほど、がん細胞を標的としたナノ粒子薬剤調達治療に用いるナノ粒子の設計を支援する画期的なAIシステムを開発。その論文が学術誌Nature Computational Materialsに掲載されることになったと発表した。

 

 
論文は「Evolutionary computational platform for the automatic discovery of nanocarriers for cancer treatment(がん治療のためのナノキャリア自動発見の進化的計算プラットフォーム)」というタイトル。
 
 
がんは外科手術で切除されるケースが多いが、切除が困難な部位や転移性がんでは薬剤治療を含む化学療法に頼らざるを得ない。ただ薬剤が標的の部位にうまく届けられなかったり、薬剤が関係ない部位で副作用を引き起こす可能性もある。そんな中、注目を集めているのがナノ粒子を使って薬剤を目的の部位に届ける方法。ナノ粒子をどのように設計するのかが重要だが、今回機械学習の手法でコンピューターが候補となるナノ粒子のデザインを提案。設計にかかる時間とコストを、大幅に削減できるようになったとしている。
 
 
EVO NANOはEUからの研究費を受けているプロジェクトで、Bristol大学のほか、フィンランドのAbo Akademi大学、西英国大学(UWE)、セルビアのNovi Sad大学など7つの研究機関に所属する、コンピューターサイエンスや、人工進化、モデリング、マイクロ流体力学、医療の専門家が共同で研究を続けている。
 
 
 
 

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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