経済回すならデジタルで

AI新聞

 

「緊急事態宣言で外出自粛するのではなく、死亡率の低い若者は外へ出て経済を回すべきだ」という議論がある。僕の友人たちのネット上での意見には、こういう主張が多い。一方でテレビを見ていると「まずは徹底的に外出を自粛して、感染を抑え込もう」という意見が多い。

 

意見がここまで対立すると、恐らくどちらか一方の主張だけが採用されることはなく、どちらにとっても中途半端な対処方法が落としどころになる。そしてどちらにとっても不幸な結果に終わってしまう。

 

なので、この究極の選択はいったん置いておいて、外出自粛しながら経済を回すことに、もっと注力できないないものだろうか。

 

外出自粛で最も打撃を受けるのは、外食産業と観光業だと言われる。でも日本の産業って、この2つだけで成り立っているわけではないはず。この2つ以外の産業をデジタル化し活性化させることで、この2つの産業の縮小規模以上に、他の産業の規模を拡大させる。そうすることで、この2つの産業の従事者に対する金銭的支援や、再教育支援も実施できるようになる。金銭的支援の借金を、未来の世代に肩代わりさせなくて済む。

 

とりあえずデジタル技術を取り入れたヘルスケアや、オンライン社会人教育などは、今後ニーズの高まりが期待できる領域。社会全体の体力が低下する前に、まだ余力のある企業や人が、新しい領域に挑戦して、どんどん経済を回していくべきなんだと思う。

 

 

 

 

湯川鶴章

AI新聞編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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